研究成果が各種メディアで取り上げられました。

10月31日にThe Journal of Experimental Medicine (J. Exp. Med.) に発表した私達の研究成果が各種メディアで取り上げられました。いずれも「ワクチン接種は午前が効果的」といった内容で、インフルエンザワクチン接種のシーズンということもあり、比較的大きく取り上げて頂きました。ただし今回の研究は、私達が2年前に報告した交感神経によるリンパ球動態の制御メカニズム(Nakai, et al. J. Exp. Med. 2014)が免疫応答でどのような役割を果たしているかを明らかにすることを目的として行われたもので、交感神経によるリンパ球動態の制御メカニズムが免疫応答の日内変動の形成に関わっていることがわかったというのが私達の一番のメッセージです。この研究の過程で、マウスの交感神経の活動性が高まる夜間にマウスに免疫を施す(実験的ワクチンを接種する)と昼間に免疫を施した場合に比べて血清中の抗体価の上昇が顕著であることがわかりました。マウスのような夜行性の動物種とは異なり、ヒトでは交感神経の活動性は午前に高まるため、免疫応答は午前に強く起こると推測されるわけです。事実、ヒトに午前(9-11時)または午後(15-17時)にインフルエンザワクチンを接種すると、午前に接種した方が接種1か月後の抗体価が4倍程度高いことが英国のグループから最近報告されています(Long, et al. Vaccine 2016)。つまり「ワクチン接種は午前が効果的」というのは、私達の研究から副次的に導き出されたメッセージなのですが、もし本当にワクチンを午前に接種することでその効果を高めることができれば、私達としては大変嬉しいです。

主な掲載記事

朝日新聞(11月1日朝刊) 『ワクチン接種は午前が効果的? 阪大「夜行性のマウスは夜」』

読売新聞(11月1日朝刊) 『ワクチン接種 午前がいい? 交感神経働き 免疫アップ』

共同通信(10月31日22時配信) 『ワクチン接種、午前中が効果的』

時事通信(10月31日22時配信) 『ワクチン接種、午前が効果大? マウスで仕組み解明』

読売テレビ かんさい情報ネットten(11月4日放送) 『ワクチンは午前中が効果的!?』(鈴木准教授も出演しました。)